兵庫土地家屋調査士会

【目的】

兵庫県土地家屋調査士会では、本年が土地家屋調査士制度 70 周年を迎えるにあたり、日本標準時の基準となる東経 135 度子午線が県内を縦断するという兵庫県の特性を活かし、観光客等が多数利用する高速道路パーキングエリア内に実際の子午線を見える化することで、位置情報の重要性、必要性を発信するとともに不動産登記制度への理解を促し、それを支える土地家屋調査士の職能や専門性等を広くアピールすることを目的とした。

【経緯】

日本標準時の基準となる東経 135度子午線は、兵庫県内の市町を含めて 12 市を通っています。北から京丹後市、福知山市(以上京都府)、豊岡市、丹波市、西脇市、加東市、小野市、三木市、神戸市西区、明石市、淡路市(以上兵庫県)、和歌山市(和歌山県)です。それぞれの町には、目には見えない子午線を表示する標識やモニュメントが建っており、国民に子午線を身近に感じてもらう機会となっております。今回、同作業を行う地域を選定するにあたっては、広く国民が利用する高速道路パーキングエリア内に設置することで、中国自動車道社パーキングエリアを候補地とした。

【目指すもの】

日本標準時の基準となる東経 135 度子午線が県内を縦断するという兵庫県の特性を活かして中国自動車道社パーキングエリア内において子午線を可視化してパーキングエリア利用者の興味を引くことでより一層のパーキングエリアの充実に寄与する。また、本作業にかかる明示プレートを設置、作業機関名として「兵庫県土地家屋調査士会」、事業名として「土地家屋調査士制度 70 周年記念事業 東経 135 度子午線の可視化作業」と記載することで土地家屋調査士制度の PR にもつなげる。同作業終了後は広く情報発信をしていき、土地家屋調査士が不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家のみならず、位置情報・空間情報の専門家として、現行の登記制度に縛られず、貴重な財産である土地・建物が適正かつ安全に地位承継できるような観点も鑑み、将来の登記制度をも考える契機としたいと考えている。

【作業後の展開】

兵庫県土地家屋調査士会の取り組みとしてプレスリリースを行うとともに、本会ウェブサイト等を通じて作業を紹介することで広く国民に PR を行う。

【現状】

公益社団法人兵庫県公共嘱託登記土地家屋調査士協会の協力を得て、パーキングエリア内に認定登記基準点の設置作業を完了し、子午線の方向出しのための観測作業、その後現地を通過する子午線に白タイルを施し可視化する工事を上り線側パーキングエリアにおいてて完了、下り線側パーキングエリアについて工事施工中である。

【登記制度について創造されたもの】

登記の専門家である土地家屋調査士が行う測量技術が、緯度経度での位置が特定されることになること、すなわち登記された地積測量図の世界測地系座標から、地球規模での位置関係が分かることとなり、グローバルな登記制度に繋がることとなる。

【創造されたものを活かすには】

すべての地積測量図のデータを世界測地系座標にすることが将来の地図に繋がるとの認識を、内外に向けて発信すべきと考える。

① 創造プロジェクト東経 135 度子午線可視事業 基準点設置作業

② 令和 2 年度 4 級登記基準点測量 測量成果簿加東市 PA 地区 その 1