長野県土地家屋調査士会

【目的】

土地家屋調査士制度制定70周年を機会に、「土地家屋調査士」の名を冠するモニュメントを設置することにより、様々な広報につなげる。
・「土地家屋調査士制度発祥の地」の名を、官公庁である松本市と国土地理院に残したい(地理院の「基準点成果等閲覧サービス」で1級基準点「土地家屋調査士制度発祥の地」として公開される)。
・ 多くの人の目に触れる場所に設置することにより、実物の基準点やその案内看板を間近に見てもらうことで、土地家屋調査士の職能と技術力や登記制度を広く県民に P Rしたい。
・ 実物の基準点を通して、防災・減災・復興に欠かせない測量や基準点の重要性を広く社会にPRするきっかけとしたい。
・ 土地家屋調査士の制度発祥の地が長野県の松本あることを広く知らせたい。
・ 制度発祥の地松本市との、より密な連携を作りたい。
・ ひとつの「シンボル」を作製することにより、制度制定70周年に起こった苦難を、土地家屋調査士が力を合わせ乗り越える象徴ともしたい。

【経緯】

土地家屋調査士制度制定45年を機に、制度発祥の地長野県の松本に建立された「土地家屋調査士制度発祥の地」碑。限りなき未来に向けた「時を内包した形」をテーマとした彫刻で、土地家屋調査士の制度発展のシンボルです。
それから25年。制度制定70周年を記念し、この記念碑の傍らに1級基準点を設置、名称を「土地家屋調査士制度発祥の地」として登録し、永く国土地理院と松本市にその名を残したい。
その思いからこの事業は始まりました。

【目指すもの】

2019年、長野県も令和元年東日本台風の被害に遭いました。「制度発祥の地」の名を残すだけでなく、実物の基準点を通して防災・減災・復興に欠かせない測量や基準点の重要性を広く社会にPR するきっかけとすること、平時においても大切な財産である不動産の適正・安全な承継や取引を支える土地家屋調査士の職能と専門性をアピールし、行政との連携を通して将来の制度をも考える契機とすること、そして「花いっぱい運動」発祥の地である松本市のもう一つの発祥の地という小さな観光資源として、「土地家屋調査士制度発祥の地」碑と合わせ、広く親しまれるモニュメントにできればと考えています。
もちろん「制度発祥の地」ですから、全国の土地家屋調査士に訪れていただければ幸いです。

※黒の石板が「防衝板」その中心が1級基準点、4つの防衝石は松本を流れる女鳥羽川などの4つの河川を表しています。

【事業経過と結果】

この事業は長野県公共嘱託登記土地家屋調査士協会と協同で進めてきました。
70周年に合わせ、70c m 70cmの石材の「防衝板」を防衝石とともに設置し、「土地家屋調査士制度発祥の地」の名称や経緯度を彫り込んでいます。令和2年9月3日、有限会社茂木石材工業、公嘱協会役員及び当会の役員が作業にあたり、無事建標を終えました。ご協力いただいた松本市はじめ、関係各位に御礼申し上げます。
当日、地元SBCラジオの取材も受け、9月9日には「ラジカン★信州噂の調査隊」という番組で放送されました。土地家屋調査士の仕事や災害復興への取組み、松本が制度発祥の地であること、基準点の重要性などが電波に乗り、土地家屋調査士制度の広報としての、当事業の一つの目的は果たすことができました。
9月25日に公益社団法人日本測量協会の検定を終え、12月8日付で国土地理院から松本市へ審査書が交付されました。晴れて「1級基準点」として登録され、「土地家屋調査士制度発祥の地」の名前を残す目的も達成することができました。国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」 https: // sokuseikagis1.gsi.go.jp/top.htmlで検索、情報の表示ができます。
また、建標の模様をイメージビデオにまとめました。当会ウェブサイトと当会の YouTube チャンネルで公開しております。是非ご覧ください。

https://www.youtube.com/channel/UClnUqp_6k4PVQGq9z9T9hQg

(松本市の公式サイトから当会のウェブサイト(この動画)へリンクもする予定です)。
Google マップへも【1級基準点「土地家屋調査士制度発祥の地」】として登録しました。Google で検索すれば、「土地家屋調査士制度発祥の地」碑と並んで表示されます。
なお、コロナ禍のみぎり、完成披露の式典などは行いません。
次年度以降の活用として、
・「地球の1秒の大きさ」を現地に復元し、大きさを体感できる場所とすること。
・「1秒の大きさ」を切り口として、QRコードを案内看板に載せ、当会のウェブサイトや登記制度、土地家屋調査士制度、測量等を解説する Webページへ誘うこと等を構想しています。

【登記制度について創造されたもの】

「創造」までに至っていません。もともと、シンポジウム等の記念事業とコラボすることにより登記の業務に加え、「筆界を明らかにする業務」、「管理する業務」を考えるシンボル、端緒とする予定でした。
コロナ禍によりイベントは中止せざるをえず、現在 1 級基準点「土地家屋調査士制度発祥の地」は「土地家屋調査士」の広報・啓発活動に活用しています。

【創造されたものを活かすには】

・ 実物の基準点を通して、様々なインフラの整備や事業の基礎となり、また防災・減災・復興に欠かせない測量や基準点の重要性を広報する。
・ 地理院の電子国土上で 1 級基準点「土地家屋調査士制度発祥の地」として公開されていることを含め、土地家屋調査士の職能や専門性、地図に対する知見だけでなく、技術の高さ、確かさについてPRし、その活用の方向を探る。
当面は以上を重点に広報事業に活用をしていきたいと考えます。
そのためには、観光用や教育に活かすなど、これまでにない方向性の展開も試みる必要があるだろう。また、「管理する業務」を軸に、地方自治体、特に市町村との連携、提携を図ることを、この建標を契機に模索していきます。