和歌山土地家屋調査士会

現在の友ヶ島の記念碑

【目的】

我が和歌山会は、70周年記念事業実行委員会を立ち上げ、メイン事業に記念碑の建立を提案しました。連合会の記念事業の理念・目的にかんがみ「子午線をつなぐ」と考え、和歌山市の友ケ島に日本標準時子午線日本最南端の記念碑を建て、そこに多目的に利用できる情報等を付加し、和歌山市の観光拠点、情報起点としたいと提案したものです。友ケ島の観光に力を入れている和歌山市にとって、この記念碑は、絶好の観光資源とも考えられ、建立後の維持管理を引き受けていただきました。
永年の土地家屋調査士の広告塔の意味もあります。この制度制定 70 年の記念すべき年に、この制度が続いてきたからこそ、現在の私たちの生活が成り立ってきたこと、また親から子、子から孫に受け継がれてきたことに感謝の意味を込めて、また、今後の業務範囲の拡大等、制度の充実・発展をめざした広告塔を友ケ島の子午線広場に残そうというものです。記憶や記録に残る事業としたいと思います。

【経緯】

2002年の測量法改正により規定されている「測量の基準」が、日本測地系から世界標準である世界測地系へと変更になりました。それにより、中央子午線付近では約400m東側にずれた為に、和歌山市の友ケ島の灯台付近を通ることになったもです。現在では、道標のような木製の標識しかありません。そこで、我が和歌山会は、友ケ島の観光に力を入れている和歌山市に協力していただき、私たちの広告塔ともなりうる日本最南端友ヶ島子午線塔の記念碑を建て
ようというものです。

【目指すもの】

ここに測量・筆界のプロ、世界測地系で測量を行っている土地家屋調査士がその技術・特性を発揮し、多目的に利用できる情報(登記基準点、標高情報等)を付加したうえで、訪問者が挙って写真をSNSにアップしたくなるような、インスタ映えがする、観光の資源になりうる記念碑を建立し、スタジオジブリ制作のアニメーション映画で話題となった島で、新しい和歌山市の観光資源、情報起点として活用していこうと考えています。

【事業経過と結果】

現在のところ、現地視察を終え、設計図や模型が完成していますが、予算確保が一番の重要課題となっています。5月29日の定時総会において可決承認をいただいたうえで、業者と業務委託契約を締結し、着工へと進んで参ります。10月か11月頃の完成を目指します。
新型コロナウイルス感染症拡大のなか、
・ 5月29日の定時総会において事業の承認を可決
・ 8月21日に工事業者と業務委託契約を締結
・ 9月25日に和歌山市長に対し、今年度の事業遂行を断念し、来年度に延期する旨を通知
来年度早々に事業に取り掛かり、内外にお披露目すべく除幕式を執り行いたいと考えています。

【登記制度について創造されたもの】

新しい登記制度を創造するなかで、14条地図が備え付けられていない地域が多すぎると感じます。登記制度のベースに14条地図があれば、すべて数値化したデータをもとに位置の特定や建物の配置などが可能になります。新しい登記制度が必要かどうかその点についてはよくわかりませんが、現在の不動産登記法に記載されている内容についても、すべて制度として運用されているとは思えません。建物所在図の作成についても、現在はあまり進んでいないように受け止めています。全国に14条地図や建物所在図が備付けられるようにもっと取組をすすめてはどうでしょうか。
空き家問題や防災・減災においても有効利用できるのではないかと考えます。
不動産に高さの情報を付与したり、シーマデータを活用することも可能かと思います。

【創造されたものを活かすには】

土地家屋調査士制度が70年を経過した現在において、これからの登記制度を創造することは、大変重要なことだろうと思います。法務省等に対しては積極的な働きかけが必要であると考えますし、充分な時間も必要だと思います。しかしながら、地方においては 70 年を経過したにもかかわらず、登記と言えば、司法書士。 測量と言えば、測量士。そういう感覚の人が多数を占めています。その中で、我らの土地家屋調査士は、今一度、何をする資格者であるのか? 登記制度と土地家屋調査士はどういう関係にあるのか?という点をもっと国民にアピールする必要があると思います。14 条地図作成作業や地籍調査事業に筆界を明らかにする業務の専門家として関わって、認知度を上げることのほうが優先されるべきだと思います。新しい登記制度の前に、土地家屋調査士制度がなくなってしまっては、どうしようもありません。
和歌山会としての認知度アップの取組の一つが、このジブリの島と言われる友ヶ島においてのインスタ映えのする広告塔(子午線塔)モニュメント製作であり、和歌山大学における「国家基盤づくりに係る土地、家屋の調査」の寄附講義です。