奈良土地家屋調査士会

【目的】

奈良市内の小学校の放課後子ども教室の活動の一環として、児童が描いた奈良に関連する絵を、調査士が校庭に拡大(50m以上)して描きます。作業中、児童にTS、ミラー両方を何らかの形で体験させることで、土地家屋調査士業務の一端に触れてもらい、児童、保護者のみならずマスコミを通じて一般市民にもその専門性をPRすることを目的とします。

【経緯】

当会副会長の知人で、奈良市内の小学校の放課後子ども教室のコーディネーターをされている方から、校庭に大きな絵を描くイベントを開催してほしい、との申出を頂きました。
かなり以前のことですが、当会は測量設計業協会さんに協賛する形で学校の校庭に実物大の大仏さんを描くイベントに参加したことがあります。副会長がその話をコーディネータの方にしたところ、それならぜひ当校でも、となったのが端緒です。

【目指すもの】

自分たちが描いた絵が短時間(実質1時間余り)で校庭に巨大に拡大されて描かれていく様を、実際に測量作業を体験しながら目の当たりにすることで、児童や保護者の方々に土地家屋調査士の専門的技術を肌で感じて頂きたいと考えました。
日ごろ測量中に通りかかる子供たちは、TSを見てカメラやビデオと勘違いすることが多いものですが、あれは測量機だ、とわかってくれる子供たちが増えてくれることを願います。それは将来的に土地家屋調査士の知名度を上げ、我々がより社会から信頼される資格者となっていく一助となるはずです。

【事業経過と結果】

コロナ禍の下、放課後子ども教室も2組に分けて活動されており、地上絵つくりも日を置いて2回開催することとしました。描く絵柄は事前に子どもたちが描いた中から選んで頂いた「東大寺の大仏」と「鹿せんべいをかじる鹿」の絵に決定、大きさは1回目が実際の大仏さんの3倍の高さ54m、2回目も同様のサイズに設定しました。
1回目は9月30日(水)に開催しました。当日参加する子どもたちは約25名、当方は正副会長、広報部員の他、急なお願いにもかかわらずご協力くださった当会会員の先生方24名。
5班に分かれ、TS、ミラー、ライン引き、子ども係等、役割を分担して一斉にスタートしました。みんながぶっつけ本番でしたが、そこはさすがに全員本職、すぐに役割を把握してどんどん作業が進んでいきます。子どもたちにもTSを覗いたり、ミラーを持ったり、指示を出したりと楽しく測量を体験してもらうことができました。

【登記制度について創造されたもの】

小学校でのイベントを通じ、子供たちに土地家屋調査士という資格者に興味を抱いてもらえれば、将来の職業の選択肢の一つとなり、調査士の減少への対策となります。 また参加された保護者や地域住民、新聞やテレビを見た人々が調査士と登記制度について関心を深めて下さることにより、それらの発展に寄与することができます。

【創造されたものを活かすには】

今年度だけでなく、今後も引き続きこのような活動を根気よく続けていくべきと考えます。

奈良新聞 令和2年10月2日掲載