京都土地家屋調査士会

【目的】

京都土地家屋調査士会の外部広報。
災害による文化財の焼失や倒壊等が起きた場合、3Dデータを保管することによって、再建の一助になることを期待して3Dスキャンデータの寄贈を行った。

【経緯】

日本土地家屋調査士会連合会では、土地家屋調査士制度制定70周年に当たり、防災・減災の観点から,土地・建物が適正かつ安全に継承できるよう、位置情報などを不動産登記に盛り込むことなどを研究するプロジェクトが進められていることを鑑み、京都土地家屋調査士会では,同プロジェクトの一環として、ライカジオシステムズ株式会社(機材の提供)、株式会社神戸清光(計測したデータの計算)、 株式会社エリジオン( VRゴーグルで体験できるアプリの提供)との協働で、文化的価値のある建物の 3 Dデータ及び VR映像データの制作を行った。

【目指すもの】

毎年、京都市会議場にて行われている「京都市会 親子ふれあい議場見学会」にて3Dスキャンデータの体験が行われることにより、京都土地家屋調査士会が一助を担っていることを伝えて頂くことによって、体験に来場した児童や親御さんの皆さんに土地家屋調査士という資格を知って頂く。

【写真】

※令和2年 11月8 日親子ふれあい議場見学会にて撮影仮京都市会議場。

【事業経過と結果】

昨今、災害などによって歴史的に貴重な文化財が焼失や倒壊している事を鑑み、3Dデータを測定し、そのデータを提供することによって、再建などの一助になれないかとの思いからこの事業がスタートした。事業開始と時を同じくして、京都市会議場(1927年完成、令和元年にて京都市役所開庁120年、令和2年にて京都市会誕生130周年の節目を迎える。)の大改修が行われることが判明した。そこで、改修前に議会場の3Dスキャンを行い、寄贈することとした。
毎年11月、京都市会議場では、「京都市会 親子ふれあい議場見学会」が行われているが、現在は、議場が改修中であり、見学会を開催しても仮の議場を見学するしかなく、以前のような議場の雰囲気が体験できない。
そこで、スキャンした3Dデータをパソコン及びVRゴーグルと一緒に京都市に寄贈すれば、小学生の議場見学会にて、以前の議場を体験できるのではないかと考えた。実際に親子ふれあい議場見学会にて、多くの生徒の皆さんが体験するところを拝見すると微力ながら貢献できたと実感している。

※使用機器
・ Leica RTC360(高性能3Dレーザースキャナー)
・ Leica BLK360(小型・軽量・高精度3Dレーザースキャナー)
協力:ライカジオシステムズ株式会社、株式会社神戸清光、株式会社

※寄贈品
・ 旧京都市会議場3Dスキャンデータ
・ ノートパソコン
・ 65インチモニター
・ モニター台
・ VRゴーグル

※参考ホームページ
・ 京都市会
https://www2.city.kyoto.lg.jp/shikai/shikumi/child/child2.html
・ 京都市会 親子ふれあい議場見学会
https://www.city.kyoto.lg.jp/28/page/0000273766.html

【登記制度について創造されたもの】

不動産の維持管理を常に行なっておれば、災害時に活かせる。土地基本法に今回新しく盛り込まれているが、その事を一般国民に広く知らしめ、土地家屋調査士として一層登記制度の広報活動をしなければならない。この事を今回、京都市に3Dデータ寄付により必要性を伝えた。

【創造されたものを活かすには】

法整備及び法令遵守を促す広報活動
地域事業等の参加及び若い人たちへの広報活動と興味の保持。