三重県土地家屋調査士会

【目的】

不動産の表示に関する登記の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資するために、特に建物の取引において昨今増加してきている空き家等の利活用やリノベーションに伴う建物価値の増加について、どのような項目を追加し、また不要な項目を削除することが、安心した取引につながるかを検討する。

【経緯】

現在の建物の表題部に記載されている登記事項では、実際の不動産取引や固定資産税の評価等において、不足している項目があると思われ、本当に権利の明確化に寄与しているか疑問がある。日調連研究所でも研究をしていただいているテーマではあるが、もっと多くの会員から情報や知恵を収集して、問題点を分析することにより具体的な提案につなげたいと考えた。

【目指すもの】

不動産取引等においても、より安心して取引ができる内容の登記制度の創設をめざして、提案をしていく。
また、コロナ禍により、顔を合わす機会が少なくなった会員どうしが、共通の問題点について検討することで、つながりを意識したい。

【事業経過と結果】

理事会で本研究に関する承認が得られたことから、今後全会員に向けてアンケートを実施し、現状の問題点や改善点について整理をしていく予定をしている。
アンケートの内容について検討中である。

【登記制度について創造されたもの】

「建物の登記事項に関する研究」を行うにあたり、まずは全会員へのアンケートを実施し、現状の登記制度の問題点や改善点についての情報収集を実施した。

【創造されたものを活かすには】

実施したアンケートの回答率は約12%と、事業に関する会員の意識の低さとともに、会員と役員との温度差を改めて実感した。また、回答者の約75%の会員は現状の登記制度で問題はないと考えているようである。しかし、回答者の中には新たな登記制度について、前向きな意見もあるため、前向きな意見のある会員を集めて問題点や改善点を整理していく事で、より具体的な制度の提案につながる可能性もあると考えられる。
現状では、役員と会員の温度差や役員同士でも温度差がありすぎて、「土地家屋調査士」として方向性をまとめていける段階ではないと感じた。まずは、現在の土地家屋調査士制度の存続について全会員に危機感と使命感を持ってもらうことが重要なことであると思う。