茨城県土地家屋調査士会

GNSS電子基準点

【目的】

・ 私設電子基準点から RTK測量により設置した点を与点とした地積測量図又は建物図面を作成する。
・ 私設電子基準点のリアル観測データをオープンデータとして公開する。
・ 三次元データの活用。

【経緯】

  1. 会員が実務で利用できる可能性の高いプロジェ
    ク トを検討。
  2. プロジェクトから得られるデータ・資料をオープンデータとする。 上の条件を満たすプロジェ
    ク トを検討した結果、高価な GNSS 測量機器ではなくとも、安価な GNSS 測量機器を用いて、高精度な測量成果を得られることを知り、このGNSS 測量機器を使用検証しながら、当プロジェクトを起案した。

【目指すもの】

私設電子基準点に基づくGNSS測量により作成した地積測量図又は建物図面を、登記申請が可能な添付図面とすること。また、これらの図面にGNSS 測量、UAVを利用した写真解析 又は3Dスキャナ等により得られた三次元データを、なんらかの手法を用いてリンクすること。

実証実験中のGNSS 端末

【事業経過と結果】

・ 新型コロナ禍の影響により、プロジェクト始動が遅れた。
・ プロジェクトのモデル事業として、外部団体の施設利用を検討していたが、やはり新型コロナ禍によりアクションが遅れた。
・ プロジェクト自体は、遅れてはいるものの、順調に進行はしている。

【登記制度について何が創造されたか 】

現在、二次元の図面情報が主体となっている登記制度に、三次元データを活用することで、登記情報をより明確化すると同時に、RTK-GNSSやUAVの導入により土地建物の調査測量の効率化を図るモデル事業を行った。
具体的なモデル事業として、以下の2つを実施する(現在継続中)。

(1)五浦六角堂の三次元建物調査測量
五浦六角堂を所有する茨城大学との協力体制のもと、RTK-GNSS 測量機、RTK-GNSS 対応 UAV、 3D レーザースキャナ等を用いた三次元測定を行い、建物図面作成、建物表題登記申請を行う。取得した三次元データは、建物登記目的のみならず、文化財の維持管理や後世への記録として活用されることが見込まれている。

(2)土地家屋調査士会館への GNSS電子基準点の設置
三次元データの取得・利用を推進するため、 RTK-GNSS 測量を簡便に安価に実施できるようGNSS 受信機を茨城土地家屋調査士会館屋上に設置し、補正データを常時無償配信するものである。これにより、県内の土地家屋調査士はもちろんのこと、一般にもデータ開放することで、三次元空間情報の利活用推進につながることを期待している。

【創造されたものを活かすには】

誰もが正確な位置情報を取得できるための、GNSS基準局の設置密度を高めるため、各地に増設する設する取り組みを行うこと。
より安価で簡便に使用できる高精度なRTK-GNSS受信機を普及させること。
三次元空間情報がオープンデータ化され、いつでも誰もが利用できるような環境を整備すること。いずれも、調査士会のみでは実現が困難であるため、関連団体や行政機関等との協力体制により推進すべきと考える。

私設電子基準点設置予定箇所下見状況
位置図